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二極化が進む賃貸経営

銀行による、不動産融資が増えてますね。

日本銀行の貸出先別貸出金統計によると
2016年12月期末での
不動産業全体への期末貸出残高が70兆3592億円ですが
その中で、個人による貸家業への期末貸出残高が22兆1668億円となっている。
2016年の新規融資額で見ると

16年の全国の不動産融資は前年から15%増の12兆2806億円で統計のある1977年以降で最高。バブル期も上回った。アパートローンも同21%増の3兆7860億円と09年の統計開始以来、最高に達した。


アパート融資、異形の膨張 16年3.7兆円 新税制で過熱
2017/3/26 1:41日本経済新聞 電子版より

こんなことが書かれています。

さて、銀行による融資額の推移を見てみます。
3か月ごとの、銀行から個人による貸家業への融資の期末貸出残高をグラフにすると
個人貸家新規貸出額
こんな感じです。
これも、日銀の貸出先別貸出金統計から、データ抜き出してグラフ化しました。
季節ごとの上下動はありますが、増加傾向が見てとれます。

このように、不動産業(個人の貸家業含む)への融資額が増加している半面、最近はこんな記事が見られます

過去最悪! 首都圏賃貸アパート「空室率30%超」の衝撃
2016年6月11日

トヨタなどが出資する不動産調査会社「タス」によると、今年3月の新築賃貸アパートの空室率は東京23区で30%を超え、神奈川県の35.54%と千葉県の34.12%も過去最悪となった。



人口減なのに増えるアパート、空室率3割超-低金利でにわか大家
2016年11月30日

国土交通省によると、住宅着工戸数は貸家が9月まで11カ月連続で増加。前年同月比の伸び率は12.6%と、持ち家(1.4%)を上回った。調査会社タスによると、アパートの空室率は少なくとも13年以降は30%前後で推移していたが、昨夏から悪化し始め、今年9月時点では神奈川県37%、東京23区と千葉県が35%に達している。



この二つに記事の中で、「タス」という言葉が出てきますが、
「タス」とは、トヨタのグループ企業で不動産業に関する情報の、収集・分析・ディスクローズをビジネスとする会社のことです。
TASここを参考にしてください。

この、タスのレポートを見ると
首都圏(1都3県)の空室率が示されていますが、空室率30%では無くて、10%台です。
首都圏空室率タス首都圏版関西圏・中京圏・福岡県版2017年3月のグラフより

次のグラフを見てください
1戸3県アパート系空室率タス首都圏版関西圏・中京圏・福岡県版2017年3月のグラフより

こちらは、1都3県のアパートの空室率です。
こちらは、見事に、空室率が30%代となっています。
それも、2015年半ばから急激に空室率が増加しています。

つまり、この二つのグラフから
1都3県のマンションの空室率には、急激な変動は無いが
1都3県のアパートの空室率には、大きな変動(空室率の急増)が見られるんですね。

本来なら、TVI(タス空室インデックス)の説明もしたいのですけど
これに関しては、今回は略します。
気になる人は、「タス」のサイトで簡単に調べられます。

なぜ、マンションとアパートで、空室率の乖離が起きたのでしょう?

これは、2015年の税制改革に由来するようです。
2015年、アパート建設および融資に強いインセンティブを与える税制改革がなされました。
一つが、相続税制改正で変更された「基礎控除額」引下げ
そしてもう一つが、「小規模宅地等の特例」適用面積拡大と「貸家建付地の評価減」の併用です。

相続税の基礎控除額が引き下げられたために、課税対象者が広がったことに加えて
「小規模宅地等の特例」と「貸家建付地の評価減」の併用、この二つの影響で、
相続対策としての、アパート経営が増えたようです。

税制改革の詳細についてまでは、今回は触れられません、スミマセン^^;

このようなわけで、相続対策としてのアパート経営が増えたのですけど
相続対策として建設されたアパートは、
賃貸住宅の受給状況を基に計画された貸家ではなく、
大家サイドの勝手な都合で建設されたものです
そのために、賃貸アパートの分布は、駅や都心との位置関係とは無関係に
東京都下にまんべんなく散布されています。
そのために、都心から電車で1時間、最寄駅から歩いて10分以上、なんて言う、
借主の事を全く考えない、訳の分からない場所に建設されるものが多数を占めます。
ということで、
アパートの空室率30%という記事につながるわけです。

一方、賃貸マンション、特に地理的条件の整った賃貸マンションに関しては
空室率は低いまま、ということになるのですね。

このために、賃貸物件の二極化が進むことになります。

さらに、この先、生産緑地の2022年問題というのも期限が近づいています。
この問題も、住宅供給にどのような影響を与えるか、、気になるところです。
都市農地、覆う2022年問題 宅地転用で空き家増加?
2016/11/27

2022年、大都市部で宅地が大量発生するとみられている。都市部の農地に求められていた農作業の義務がなくなるからだ。地価に影響を与える制度変更に業者の動きも急だ。



でも、もしかしたら、生産緑地は増えるかもしれない
なんて思わせる記事もあります。

「都市農業」を促進 29年度税制改正で生産緑地の要件緩和へ 500平方m超→300平方m超 

政府は3日、平成29年度税制改正で、市街化区域内の農地で税制優遇を受けられる「生産緑地」について、現行の面積「500平方メートル以上」の指定要件を「300平方メートル以上」に引き下げる方針を決めた。


本日も、長くなりました。
申し訳ない。


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コメント

No title

年末から個人投資家の融資が難しくなってるらしいです。5年後、10年後にはお宝不動産が出そうですが、61、66歳ではねえ。

No title

相続税の評価減制度で不動産が優遇されすぎだと思います。
だから猫も杓子も相続税対策といって不動産を買う。
けっか供給過剰。これに低金利もあいまって将来は悲惨なことになりそう。
まあ私は供給過剰の不動産市況で安く買い叩いて賃貸で住む側ですから美味しいのですが。

Re: No title

たんちんさん、コメントありがとうございます

> 年末から個人投資家の融資が難しくなってるらしいです。5年後、10年後にはお宝不動産が出そうですが、61、66歳ではねえ。


行政サイドから指導が入ったんでしょうか?
「もう少し、審査厳しくしろ」とか。

60代となって、経験積んでから終世の住まいを見つけるのも良いんじゃないですか^^

Re: No title

招き猫の右手さん、コメントありがとうございます

> 相続税の評価減制度で不動産が優遇されすぎだと思います。
> だから猫も杓子も相続税対策といって不動産を買う。

まだ、終戦直後の税制を引きづっているからなんでしょうか?
時代は変わったと思うんですけど。

> けっか供給過剰。これに低金利もあいまって将来は悲惨なことになりそう。
> まあ私は供給過剰の不動産市況で安く買い叩いて賃貸で住む側ですから美味しいのですが。

市街化部分、これをもっと限局しないと、インフラサービス維持が困難になりつつありますよ^^;

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